【理学療法士必見!】Lateropulsion(ラテロパルジョン)とは?メカニズムや責任病巣、評価方法について!!

Lateropulsionとは?
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はじめに

おばんです!!Yu-daiです!
新人セラピストや学生向けに
脳卒中や急性期におけるリスク管理を中心とした

知識の発信をさせていただいています

今回は”Lateropulsion(ラテロパルジョン)”について!!

新人
理学療法士

なんですか?Lateropulsion(ラテロパルジョン)って?

Yu-dai

姿勢定位障害の1つだね!!
同じ姿勢定位障害にPusher現象があるけど
Pusher現象の方がよく知られているかな?

急性期以外ではあまり目にすることは少ない症状だね!!

※Pusher現象についてはこちらの記事へ!

Pusher現象とは?

この現象のせいで介入に難渋!? Pusher現象ってなんなの?【原因・評価・責任病巣・リハビリ総集編!】

Lateropulsionは基本的に予後が良好と言われていますが、
遷延化した場合にはADLを阻害してしまう因子の一つになります!

脳卒中とlateropulsionを有する患者は、lateropulsionを有しない対照群と比較してFIMの得点が低く、より多くの支援を提供する退院先を必要とした。

Babyar SR, White H, Shafi N, Reding M. Outcomes with stroke and lateropulsion: a case-matched controlled study. Neurorehabil Neural Repair 2008;22:415-23.
Yu-dai

予後が良いとはいえ、Lateropulsionを認めた人全てが
完全に回復して退院できるわけじゃないよ

新人
理学療法士

Lateropulsionの機序などについてしっかり理解して
適切な介入や退院時指導が必要になるわけですね!

この記事を読んでいただければ
たった10〜15分程度でLateropulsionについての理解を深めることが可能です!!

それでは一緒に学んでいきましょう!

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Lateropulsion(ラテロパルジョン)とは?

Lateropulsionとは?

この現象をはじめに発見したのは”Davies”という人物!

Daviesは当初、lateropulsionも含めて”Pusher症候群”と呼んでいたそうです!
(現在は症候群とする明確な根拠がなく、Pusher現象やlateropulsionといった現象の名前で分けて使用されています)

Lateropulsionについては現在、こんな感じで説明されています!!

lateropulsion(axial lateropulsion,lateropulsion of the body)とは、不随意的に一側に身体が倒れてしまう現象を言い、前述したLMIs(延髄背外側部梗塞例)で出現するWallenberg症候群の1つとして知られている。

阿部浩明:脳機能を考慮した理学療法思考プロセス-Isolated lateropulsionを呈した症例 脳科学とリハビリテーション Vol.11 2011

そう、Lateropulsionとは…

不随意的に一側に身体が倒れてしまう現象

このことを指します!!

新人
理学療法士

それだとPusher現象とほとんど変わりませんよね?
どんな特徴があるんですか??

以下にLateropulsionの特徴についてまとめました!!

  • 延髄外側症候群における症状の1つとして有名
    ※その他の病巣でも認めた報告あり
  • 予後は比較的良好で2週間程度
  • 病巣と同側へ傾倒する
  • 姿勢矯正に対して抵抗しない
  • Lateropulsionとisolated Lateropulsionに大別される
  • 垂直判断(SVV)に異常がある

これらのような特徴があります!!

Yu-dai

責任病巣や傾倒の方向性、姿勢矯正に対する抵抗の有無などが
Pusher現象とは違ってくるね!!

※LateropulsionとPusher現象の違いについては以下の記事でまとめているので気になった方は是非見ていってください!

【理学療法士向け!】Pusher現象とlateropulsionの違いはたった4つのポイントだけで分かる!!

責任病巣やメカニズムについては下の項目でまとめていくので
ここでは、予後が比較的良好な理由について説明します!!

Lateropulsion(ラテロパルジョン)の予後は比較的良好?

それでは”Lateropulsionの予後”についてまとめていきましょう!!

Lateropulsionの予後は…
一般的には良好で、
数週間程度で歩行が可能になると言われています!

以下の報告では
2週間前後で”Lateropulsion”が改善されたと報告されています

Lee H, Sohn CH. Axial lateropulsion as a sole manifestation of lateral medullary infarction: a clinical variant related to rostraldorsolateral lesion. Neurol Res 2002;24:773-774.

Okamura M, Suzuki K, Komagamine T, et al. Isolated body lateropulsion in a patient with pontine infarction. J Stroke Cerebrovasc Dis 2013;22:e247-249.

Kim HJ, Kwon HM, Huh YE, et al. Ipsilateral axial lateropulsion as an initial symptom of lateral medullary infarction: a case report. J Clin Neurol 2007;3:197-199.

これらは”ケースレポート”です!!
あくまでこういう症例がいたよーという報告なので
エビデンスレベルとしてはまだ高くはありません

ただ、同様の見解がほとんどなため
ある程度のコンセンサスは取られていると思います…

ちなみに、小脳梗塞を合併した例では
”Lateropulsion”が遷延化するという報告も散見されます!

新人
理学療法士

なぜ予後が比較的良好なんですか?

Yu-dai

少しだけ神経回路の話も混ぜながら説明しようか

Lateropulsionには以下の神経回路が関与していると言われています!!

lateropulsionに関する神経回路はこちら!!
  • 脊髄小脳路(背側・腹側)
    (Maeda et al,2005)(Arai M,2006)(Thömke F,2005)
  • 外側前庭脊髄路(Arai M,2006)(kim HJ et al,2007)(Thömke F,2005)
  • 前庭視床路路(C. Eggers et al,2009)

Lateropulsionは
体幹の姿勢や位置を調整する経路”が障害されることで生じます!

上の3つはその代表的な経路ですが
実際はその他にも体幹の姿勢や位置を調整するための経路が存在します

体幹の姿勢・位置の恒常性に関わる経路は

1.後脊髄小脳路
2.前脊髄小脳路
3.外側前庭脊髄路
4.前庭視床路
5.歯状核・赤核視床路
6.視床皮質路 
   
である。
以上のいずれの経路がどこで障害されてもBody Lateropulsionが生じる可能性がある。

中里 良彦ら:Isolated body lateropulsionの神経解剖学 BRAIN and NERVE 68 (3):263-270,2016
Yu-dai

これらの神経回路は
姿勢・バランスを保つための働きをしているよ!!

✔︎脊髄小脳路→同側体幹・下肢からの固有感覚情報を伝達する

✔︎前庭脊髄路→伸筋(興奮)・屈筋(抑制)に作用し姿勢維持を行う

✔︎前庭視床路→三半規管・耳石器などの前庭情報を視床へ

それぞれ、姿勢を調整するために作用することで
私たちは日常生活を不自由なく送ることができます!!

さて、本題のなぜ比較的予後が良いのかについてです!

ポイントは2つ!!

  • これらの神経繊維は両側にあるから
  • 前庭視床路など一部の回路は対側にも分岐するから
  • (意識できる)深部感覚が残存し代償が可能だから

以上の理由が考えられます!!

Yu-dai

逆を言えば、延髄以外の小脳や橋・中脳など他部位も含め
両側・多発的に損傷を受けた場合には症状が遷延化する可能性も考えられるね!!

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Lateropulsion(ラテロパルジョン)が起きるメカニズム

少し責任病巣について触れてしまいましたが
Lateropulsionが起きるメカニズムについてまとめていきましょう!!

Lateropulsionは…

・運動失調
・筋力低下
・感覚障害
・めまいなど

これらの症状は伴わないで”体軸の一側への傾斜と転倒傾向を示す症候です!

実際は延髄外側症候群などその他の症状も認める場合が多いですが
Lateropulsionを考える上ではこれらの症状とは切り離して考えましょう!

新人
理学療法

確かにもうすでに頭がパンパンなのでシンプルに考えたいです…

体軸の一側への傾斜と転倒傾向について考えると
Lateropulsionは以下の理由で生じると考えられます!!

  • (意識されない)姿勢調節機能の異常
  • 平衡感覚の異常
  • 視覚的垂直判断(SVV)の異常

故にLateropulsionの責任病巣について知りたいのであれば
・姿勢調節機能(無意識な)

・平衡感覚
・視覚的垂直判断

これらに関わる神経回路がどのなのかを考える必要があります!!

Yu-dai

ということで
責任病巣やその主な病巣における血管支配など

まとめていきます!!

Lateropulsion(ラテロパルジョン)の責任病巣は?

一度見せていますが
Lateropulsionの責任病巣はこちらになります!!

体幹の姿勢・位置の恒常性に関わる経路は

1.後脊髄小脳路
2.前脊髄小脳路
3.外側前庭脊髄路
4.前庭視床路
5.歯状核・赤核視床路
6.視床皮質路 
   
である。
以上のいずれの経路がどこで障害されてもBody Lateropulsionが生じる可能性がある。

中里 良彦ら:Isolated body lateropulsionの神経解剖学 BRAIN and NERVE 68 (3):263-270,2016

代表的なLateropulsionの責任経路については
その機能についても言及されています!!

背側腹側脊髄小脳路は、同側体幹と下肢からの姿勢や運動に関連した固有感覚情報を媒介している。前庭脊髄路は伸筋には強い興奮作用を示すが、下肢の屈筋には抑制作用を示すため、身体姿勢の維持に重要な役割を果たしている。下小脳脚は、主に固有感覚と運動出力を伴う前庭感覚入力の統合に関与しており、姿勢とバランスを維持するために不可欠な領域である。まとめると、これらの構造はすべて体の姿勢を維持するために必要なものであり、これらのうちの1つまたは複数に病変があるとlateropulsionを引き起こす可能性が高い。

C. Eggers et al:Correlation of anatomy and function in medulla oblongata infarction European Journal of Neurology 2009, 16: 201–204
新人
理学療法士

それぞれ、いろんな機能を有しているんですね〜

Yu-dai

ちなみにSVVの異常は前庭核など”前庭脊髄路”や”前庭動眼反射(前庭核から外転神経核・動眼神経核を経由して外眼筋の運動神経細胞へ)”に関わる経路の損傷によって生じると言われているね!!

Lateropulsion例のSVVの傾斜は前庭神経核から眼球、そして脊髄へそれぞれ投射している経路上の障害位よるものであると推測される。

阿部浩明:脳機能を考慮した理学療法思考プロセス-Isolated lateropulsionを呈した症例 脳科学とリハビリテーション Vol.11 2011

それでは、各神経回路についてその機能について簡単にまとめます!

前脊髄小脳路・後脊髄小脳路

固有感覚の経路

  • 前脊髄小脳路(内側前外側繊維、外側前外側繊維)
    内側:側索辺縁の腹側を通って中脳まで上行上小脳脚経由で同側小脳前葉へ
    外側:延髄までは側索を通って上行。大部分は延髄で下小脳脚を通って小脳へ、一部は中小脳脚を通って小脳へ入る

  • 後脊髄小脳路(後外側繊維)
    大部分は下小脳脚から同側の小脳前葉、一部は虫部へ分布する

Lateropulsionに関しては、
後脊髄小脳路の方が重要視されている

Yu-dai

解剖学的には
ヒトでは内側前外側繊維、外側前外側繊維、後外側繊維という

呼び方が正式らしいね

動物の神経解剖で発見された前脊髄小脳路・後脊髄小脳路に相当する意味で使われるみたい!

外側前庭脊髄路

伸筋(興奮)・屈筋(抑制)に作用し姿勢維持を行う

  • 前庭神経核から同側に延髄,脊髄を下行する
  • 頸部・背部・臀部・下肢筋に作用するが、特に同側下肢筋への作用が強い

前庭視床路・視床皮質路(前庭視床皮質路:上行性重力知覚路)

冠状面における姿勢の垂直性知覚に関与している

  • 前庭視床路
    前庭神経核(内側核・上核)と室頂核→視床後外側部(前庭視床亜核)入力

歯状核・赤核視床路

運動の結果に関するフィードバック情報を大脳へ送る

  • 小脳歯状核から上小脳脚を経て
    反対側の赤核,視床の外側腹側核(VL 核)に至る。
  • 視床を経由した後は運動野へ
Yu-dai

”教師あり学習”にも関わってくる神経回路だね!!
詳細はこちらの記事でまとめています!

【リハビリで使える!】教師あり学習と教師なし学習、強化学習についての違いを解説!!具体例も!

各神経回路についてはこちら!!

姿勢とその安定性に関連する神経回路
中里良彦ら:Isolated body lateropulsion の
神経解剖学より一部改変し引用

Yu-dai

次は血管支配についてまとめます!

Lateropulsion(ラテロパルジョン)の責任病変における血管支配領域

脳幹(中脳・橋・延髄)における血管支配領域

次に血管支配についてです!!
今回はLateropulsionの発症が比較的多い、
延髄などの”脳幹部”や”小脳”について説明します!!

まずは脳幹について!!

Yu-dai

脳幹には中脳・橋・延髄があるからそれぞれ分けて考えるね!!

中脳病変によるLateropulsion(rubral lateropulsion)症例

赤核病変による”歯状核赤核視床路”or”前庭視床路”の障害

  • 赤核のある中央部周辺(median zone)は脳底動脈の分枝が支配(金城,2014)
  • 赤核近傍の梗塞の場合は、上行性重力知覚路のみが損傷され
    病側と対側へのLateropulsionが生じる
    (Felice KJ et al,1990)
  • 比較的梗塞巣が広い場合は動眼神経核が損傷され眼球障害も生じる
  • ただし、中脳に限局する脳梗塞は極めて稀で0.6~2.3%程度(Bogousslavsky J et al,1994)
  • ちなみにanterolateral zone・lateral zone・dorsal zoneは後大脳動脈,上小脳動脈が灌流する
Yu-dai

僕自身もまだ中脳だけに限局した病変は見たことがないなぁ〜
かなり珍しい症例だと思うので、もし担当するようなことがあったら画像所見と臨床所見を踏まえて障害像を推測しよう!

次は橋についてです!!

橋病変でLateropulsionが出現した症例

上行性重力知覚路の障害がLateropulsionの原因と考えられる

  • 前庭視床路は橋下部で正中交叉→損傷レベルによって病側が変わ
  • 報告の多くは橋上部被蓋部(Yi HA,2007)(Okamura M,2003)
    対側へのLateropulsionが生じる
  • 病巣が橋下部傍被蓋部の場合は同側に生じる(Yi HA,2007)

Yu-dai

橋に限らず脳幹は様々な神経回路が密集しているよ!!
脳画像と臨床症状をみながら
Lateropulsionによるものなのかそれ以外なのかを考察する必要がありそうだね!

脳幹部の最後は延髄です!

延髄病変でLateropulsionが出現した症例

延髄で生じる多くは背外側病変によるワレンベルグ症候群

  • 外側に血液を送る動脈=椎骨動脈・後下小脳動脈の閉塞によって生じる!
  • ワレンベルグ症候群は責任病巣によって生じる症状が変化する!✔︎Lateropulsionに眼振を伴うLateropulsion&nystagmus
    →前庭神経核の損傷
    ✔︎Lateropulsionに運動失調を伴うLateropulsion&hemiataxia
    →脊髄小脳路の損傷
    ✔︎Lateropulsionに感覚解離を伴うLateropulsion&dissociated
    →脊髄視床路の損傷
    ✔︎四肢運動失調を伴わない場合
    →外側前庭脊髄路の損傷
  • LateropulsionとIsolated body lateropulsionに分けられる
    ◉lateropulsion→lateropulsion以外の症状あり
    ◉Isolated body lateropulsion→lateropulsionのみorその他の症候が軽度
Yu-dai

延髄外側症候群は発症早期は神経症状がでなかったり、MRIでも所見が認められずに診断が遅延する症例もあります!(高橋ら,2014)

また、神経症状があっても画像所見を認めない
その逆もまた然り!!
画像所見と臨床症状の両方を確認しながら

考えるクセをつけておきましょう!

最後に小脳です!

小脳についてもLateropulsionの出現は認められています!

小脳梗塞でLateropulsionが出現した症例
  • 吻側虫部(Muley SA et al,2004)(Lee H,2006)
    →後脊髄小脳路の終着地点、上小脳動脈の支配領域
  • 小脳半球下部(Shan DE et al,1995)
    後下小脳動脈外側枝領域
    ※小脳半球のみの損傷では

    上の後脊髄小脳路や歯状核・赤核視床路は損傷しない
    同支配領域である延髄外側損傷が合併していた可能性がある
Yu-dai

多発性硬化症例ですが、上・下小脳脚に損傷が認めた場合にはIsolated body Laterpulsionが出現することもあるようだよ!!(Bertholon et al,1996)

Lateropulsion(ラテロパルジョン)の評価方法

Lateropulsionの評価

最後にLateropulsionの評価についてまとめておきましょう!!

Lateropulsionの評価まとめ!
  • 姿勢定位障害の評価(BLS・SCP)
  • 垂直認知の評価(SVV・SPV・SHV)
  • 脳画像評価

Yu-dai

代表的なものはこの3つだね!!
あくまでLateropulsion鑑別のための評価だから
運動麻痺など他の症状を疑うのであれば追加しよう!

新人
理学療法士

SCP?BLS?あまり詳しくないので教えてください!!

脳画像については上でまとめたので省略します!
それでは姿勢定位障害や垂直判断についての評価をまとめていきましょう!!

姿勢定位障害における評価(SCP)

yu-dai

まずはSCPについて説明するね!!

SCP(Scale for Contraversive Pushing)は
2000年にKarnathらによって開発されたPusher現象の代表的評価法です!

Pusher現象はLateropulsionと同様、姿勢定位障害に分類されますが
片側へ傾く”という点では似た症候であるため

この2つを鑑別するために使用します!!

Pushingのカットオフ値は各項目が>0点ですが、
Lateropulsionに関しては特に点数でのカットオフ値はありません!

Pusher現象の詳細はこちらの記事へ!

Pusher現象とは?

この現象のせいで介入に難渋!? Pusher現象ってなんなの?【原因・評価・責任病巣・リハビリ総集編!】

大項目下位項目得点
姿勢
(麻痺側への傾斜)
傾きがひどく転倒する
転倒しないが大きく傾いている0.75
軽度傾いている0.25
傾いていない0
外転と伸展
(押す現象の有無)
姿勢を保持している状態で押してしまう1
動作に伴い押してしまう0.5
押す現象はない0
修正への抵抗正中位へと修正すると抵抗する1
抵抗しない0
3 項目を座位と立位で評価!! pushing がない場合は0点、最重症の場合は6点になる 

SCPの項目において、”修正への抵抗”という項目がありますが
Lateropulsionにおいては”矯正への抵抗はない”と言われているので

要チェックです!!

新人
理学療法士

つまり、Pusher現象ではないことを確認すればいいんですね!!

姿勢定位障害における評価(BLS)

次はBLS(Burke Laterupulsion Scale)について説明します!!

BLSはD’Aquilaら(2004)がLateropulsionの評価法として発表しました!

その特徴がこちら!

BLSの特徴!!
  • 姿勢を維持or変えるよう指示された時の患者の運動と反応を評価する
  • A:寝返り B:座位 C:立位 D:移乗 E:歩行の5項目
  • 受動的な姿勢矯正に対する抵抗の程度や開始するタイミングなどをポイントにする
  • 各項目0〜3点(立位のみ4点)で合計17点で重症度を評価
  • 合計≧3をカットオフとする事を推奨されている(Bergmann J 2019)
  • 測定項目が多く角度測定が必要なため患者や測定者の習熟度が影響する可能性あり

BLSはPusher現象例でも経過を追うために使用します!!

BLSはpusher現象が出現する角度やその強さで評価を細分化できるため
微細な変化を捉えやすく、日々の変化を追うのに役立ちます!!

(SCPと比較するとBLSは回復の変化における敏感度が高いと言われています)

Yu-dai

BLSの各項目について簡単にまとめておきましょう!!

以下はD’A quilla MA, et al:Validation of a lateropulsion scale for patients recovering from stroke. Clin Rehabil 2004:18:102-109から改変し引用しています!!

BLS 背臥位からの寝返り

丸太様ローリングを行う

  • 0=他動的なローリングに対し抵抗なし
  • 1=わずかな抵抗あり
  • 2=中等度の抵抗あり
  • 3=強い抵抗あり
  • +1 両方向への抵抗があった場合1点追加

BLS 座位

患者の体幹を麻痺側へ30°傾けた位置から正中位へ戻す

  • 0=正中まで抵抗なし
  • 1=正中まで残り5°以内で体幹・上肢・下肢の抵抗が起きる
  • 2=10〜5°の範囲で抵抗が起きる
  • 3=10°以上傾いているところで抵抗が起きる
BLS 立位

患者の体幹を麻痺側へ30°傾け、そこから正中を越えて非麻痺側へ5〜10°まで戻そうとした時の反応を採点する

  • 0=身体重心を非麻痺側下肢の上に乗せるのを好む
  • 1=麻痺側から正中を越えて非麻痺側へ5〜10°傾けたところで抵抗が生じる
  • 2=正中まで残り5°以内で平衡反応が起こる
  • 3=正中まで残り10〜5°の範囲で平衡反応が起こる
  • 4=正中まで10°以上離れているところで平衡反応が起こる
BLS 移乗動作

移乗を採点する

  • 0=非麻痺側への移乗に抵抗なし
  • 1=非麻痺側への異常にわずかな抵抗あり
  • 2=移乗に中等度の抵抗があるが、1人の介助で可能
  • 3=非麻痺側への移乗に重度の抵抗があり、2人介助が必要
BLS 歩行

正中位にしようとする介助に対する能動的な抵抗を採点する

  • 0=麻痺側へ押す現象は認められず
  • 1=わずかに麻痺側へおす現象あり
  • 2=中等度の麻痺側へおす現象あり
  • 3=2人介助が必要、もしくは歩行不可能

Yu-dai

詳細は紹介した上の論文で確認してみてください!!

垂直判断(SVV・SPV・SHV)の評価

最後に垂直判断の評価について説明します!!

垂直判断には3種類あります!

  • 視覚的な垂直判断(subject visual vertical:SVV
  • 身体的な垂直判断(subject postural vertical:SPV
  • 触覚的な垂直判断(subject haptic vertical: SHV)
Yu-dai

この中でLateropulsionは”SVV”が障害されると伝えたよね!!

ただし、この評価には基本的に特殊な装置を使用する必要があります!!

実物写真は自分では用意できなかったので
ここでは、機材の名前と使用している論文を紹介します!

電動型垂直認知測定装置
  • 主観的身体垂直(閉眼位)
    SPV (Subjective Postural Vertical)
  • 主観的身体垂直(開眼位)
    SPV-EO(Subjective Postural Vertical -Eyes Open)
  • 主観的視覚垂直
    SVV(Subjective Visual Vertical)

深田 和浩ら:発症早期の脳血管障害患者における主観的垂直認知の特徴:Pusher現象の有無による垂直パラメータの差異

こちらの病院の広報サイトでは電動型垂直認知測定装置の写真が掲載されています!

Vertical Board
  • 主観的視覚垂直

當山峰道ら:脳卒中患者における自覚的視性垂直位と静止立位時バランスとの関連 Jpn J Rehabil Med 2011 ; 48 : 263.269

深田 和浩ら:垂直性とバランス 理学療法ジャーナル52巻9号

新人
理学療法士

じゃあ、評価するには特別な機器を揃えなくちゃいけないんですか?

Yu-dai

基本的にはそうなるね…
もしなければ、正確ではないけど徒手的に傾けたりしてその時の主観的な垂直判断を聞いていくくらいかな!

最近はこんな研究もされているみたいだよ!

武田祐貴ら:Pushing患者における主観的垂直認知の簡便な評価法の考案―関節角度計を用いた方法― 

論文化はされていませんが、
今後はこのような簡便な評価方法についても研究が進みそうですね!

Lateropulsion(ラテロパルジョン)まとめ

いかがだったでしょうか?

今回はLateropulsionについてまとめました!!
姿勢定位障害はかなり奥が深く、理解には時間がかかる分野ですが
必ず臨床で役立てられますから少しずつでもいいので頑張って学んでいきましょう!

LateropulsionやPusher現象に関連した記事もたくさん書かせていただいているので
ぜひそちらもご覧ください!!

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