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はじめに

おばんです!!Yu-daiです!
自分自身の知識の研鑽や日々のアップデートを目的に
新人セラピストや学生向けに
”脳卒中”や”急性期におけるリスク管理”などを中心とした
知識の発信をさせていただいています!!
知識発信はBlogが主ですが、TwitterやInstagramもやっています!!
この記事では、”側脳室”について
理学療法士などのリハ職が使える脳画像の知識をまとめていきます!!
この記事を読んでいただければ、たったの数分で…
- 横断像における”側脳室”の各部位の位置
- 周辺部位との位置関係
- 側脳室をランドマークとした重要部位の同定方法
これらについて知ることが可能です!!
側脳室とは?

”側脳室(lateral ventricle)”とは
左右の大脳半球の内部に対称性に存在する一対の空間になります!!
皆さんもご存知かと思いますが、
側脳室は脳脊髄液を脳内に循環させる空間の1つになります
脳脊髄液は側脳室(脈絡叢)で作られ、側脳室から以下のように循環します
側脳室
↓
モンロー孔
↓
第3脳室
↓
中脳水道
↓
第4脳室
脈絡叢は第3脳室にも存在し、側脳室からの脳脊髄液とともに以降の脳室に向かいます

画像でも分かるとおり、
側脳室はかなり大きい構造体だからランドマークとしては最適だよね
側脳室をランドマークにする理由についてはこのように言われています!!
側脳室は脳脊髄液で満たされていて単純CTやMRIのFRAIR画像などたいていの画像では黒く写り、他の構造体とは明らかに見え方が異なるので、脳画像解剖を読み解く際には重要なランドマークとなる。
大村 優慈:コツさえわかればあなたも読める リハに役立つ脳画像−改訂第2版メジカルビュー社
確かに、CT・MRIともに側脳室はどこにあるか一目瞭然ですよね!!

それでは、側脳室が脳内でどういう構造になっているのかまとめてみましょう!
// /側脳室の部位と脳画像の関係

側脳室は以下の部位に分けることが可能です!
- 前角
- 後角
- 下角
- 三角部
- 体部
横断面ではそれぞれ確認できるレベルが違います!
それがそのまま、自分がどのレベルをみているのか同定することにつながります!!
体部→側脳室体部レベル
前角・後角→松果体レベル・基底核レベル
後角→第3脳室レベル
下角→側脳室下角レベル・橋(上部)レベル

結構分かりやすくなりますね!!
このように、
脳の横断面において
見えている側脳室の部位によってある程度のレベルを同定することが可能です!!
各レベルにおける側脳室の部位と周囲部位の同定

次は各レベルごとに側脳室の部位やその周辺部位についてまとめていきます!
今回は、これらの代表的なレベルについてまとめていきますね!!
- 側脳室体部レベル
- 松果体レベル
- 側脳室下角レベル
では、側脳室体部レベルからいってみましょう!!
側脳室体部レベル

側脳室体部レベルにおいて、
側脳室体部はかなり大きい構造体なので間違えることはほとんどないと思います!
大きく左右2対になっている構造体が側脳室体部になります!!
側脳室体部の付近においては、以下の部位を同定することが可能です!
尾状核体部
皮質脊髄路(放線冠)
皮質網様体路
体性感覚伝導路
上縦束

皮質脊髄路や体性感覚伝導路なんかは
学生レベルでもチェックしておくべき重要な神経繊維だよね!
これらの部位の機能についてはこちらで紹介しています!
【側脳室体部レベル】図解あり!!脳画像で見るべき脳部位を徹底解説!前編
松果体レベル

次は松果体レベルですね!!
松果体レベルにおいては…
- 側脳室前角
- 側脳室後角
これらの部位が2対で確認できます!!
それぞれの部位ごとに同定できる部位をまとめていきましょう
- 尾状核頭部
- 内包前脚
- 視放線
以上です!!
内包前脚は”前頭橋路”や”視床放線”といった運動制御や運動学習などに重要な神経回路が走行するためしっかり覚えておきましょう!!
側脳室下角レベル
最後に側脳室下角レベルです!!
このレベルは、厳密に言えば中脳〜橋上部への移行部になります!
このレベルで確認できる側脳室の部位はこちら!
側脳室下角
”側脳室下角”は側頭葉の中心部やや内側に存在しています!
もちろん、2対になります!
側脳室を取り囲むように、
”海馬傍回”をはじめとしたこれらの部位を同定することが可能です!


これらの部位の損傷では
記憶や情動、視覚(物体識別・認知)の障害が起こりやすいよ!!
まとめ

いかがだったでしょうか?
側脳室は横断面のレベルを同定したり
各脳部位の同定に使用できる重要なランドマークでした
もし、脳のスライスレベルがイマイチ理解しきれてない人には
この側脳室を利用して覚えていくことをお勧めします!

少しでも早く読影の目を養うにはどうしたらいいですか?

結論から言うと…
数をこなして慣れるしかない!(笑)
だけど、僕がお世話になった教科書にはこう書いていたよ!!
1.人間の脳はあいまいにしか覚えられない
土肥 守:病態と症状でみる脳の画像診断―患者さんに対応できる・治療がわかる
2.脳のどこの部分を見分けるのか
3.情報を捨てることの重要性
4.スケッチしてみよう
5.人は失敗しないと覚えない
6.なるべくたくさんの画像を見るほうがよい
7.よくわからないときは左右で比較してみよう
8.「典型例」は自分の頭の中にしか存在しない
9.画像を作る原理だけは理解しておこう
10.画像診断は補助診断です
これらの項目を読んでから僕が実際に試してみた方法はこちら!!
- 勉強するスライスを限定した(担当患者に関連した部位とか)
- 簡単&下手でもいいからスケッチして病巣と部位を確認してみた
- 自分で読影した結果を上司にプレゼンした
- 病変部位が小さくても手を抜かずに考えながら読影した
僕が実際に実践した内容は4項目ほどですが、
上の著書で書かれているポイントのほとんどはカバーできていると思います!!
僕の経験上、重要なのは…
⑤の”人は失敗しないと覚えない”
先輩・上司がいるような環境なら積極的にチャレンジしてみましょう!
(精神的にキツかったら無理にしなくても大丈夫ですよ!)
相談しやすい相手がいるならば、リハ医や脳卒中外科・脳卒中内科のDr.でもいいと思います!!
(Dr.の知識には到底及ばないですから…笑)

同期と一緒に見てみるのもいいかもね!!
とにかく、
他人にプレゼンして間違いや勘違いを指摘してもらう体験
あとはめげずに自分が担当した症例でどんどん繰り返して数をこなしてください!!

僕もまだまだ未熟なので頑張ります!!
この記事が少しでも皆さんの臨床や学習に貢献できたら嬉しいです!!
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脳画像について普段から勉強に使っている書籍はこちら!!
- 部位の探し方を指標やポイントなども示しながら説明してくれる
- 脳機能や解剖学の知識を画像・イラストを用いて解説してくれる
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- 改訂により認知症画像が追加された
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僕が今実習生時代に戻ってしまったとしたら
この書籍は絶対に肌身離さず携帯します笑
一応、初版も掲載しておきます!!
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- 小脳や脳幹についての解剖的知識や血管支配も詳細に書かれている
- 出血・梗塞ともに各部位(被殻出血etc.)ごとの病態や臨床像が分かる
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第4版は少し値段的に手が届きにくかったので
”二千円”くらいで購入できる第3版をおすすめしました!
第4版の方が…
- イラストがさらにみやすくなっている
- 新たな疾患・病態が追加されている
- 新たな治療法が追加されている
- 脳卒中リハについての概要が追加されている
このように、色々と良くなっている部分がたくさんあるので
1万円くらいでも新しい方がいい!という人には第4版をおすすめします

実習にこういう書籍を持ってきてない学生は結構いるんだけど
もし購入できなくても、学校の図書館に絶対おいてあるはずなのであらかじめ借りておくことをおすすめするよ!!
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自習中の心強い見方になることを保証しますよ!!
まずは図書館に足を運んでみましょう!
普通に臨床に出ても使える書籍なのでもし懐に余裕があり、就職先も脳卒中症例を担当するようであれば購入していて損はありません!
それでは、頑張りましょう!!