- 臨床で使えそうな論文を見つけたがどう考えたら良いかわからない
- どうやって実際の患者さんに当てはめるのが良いかを考えるきっかけが欲しい
Contents
はじめに
前回の記事では、批判的吟味についてまとめました!!
僕も書籍や文献などをみて必死になってまとめましたが、少しでも分かりやすく伝わったでしょうか?笑
今回は、EBPT入門の最終回!
自分の目でチェックした論文の内容をどんな視点で臨床に用いていけば良いかというところをまとめていきたいと思います。
では、よろしくお願いします!
// /施設や機器などの環境を踏まえた検討をする
まずは、論文のなかで用いられた測定・治療機器がなんなのかをまとめましょう!

活動量計、重心動揺計(足底圧分布計)、ハンドヘルドダイナモメーター、ストレングスエルゴ、超音波画像診断装置、歩容計測器、歩行神経筋電気刺激装置など
このように、現在は治療や測定に用いられている機器はかなり多いです。近年の傾向は
電子制御式膝継手(GS-Knee)やHALなどのロボットを用いた研究がトレンドになってきていると思います。
この領域に関してはまだ発展途上でRCTなどは散見される程度だとは思いますが、今後発展していく領域でしょう。
少し話がずれましたが、
自身が探してきた論文の中で上記のような機器が使用されていた場合、
自分の施設にその機器があるのか・今後購入する予定があるかや
リハビリや病棟などのスペースが十分確保できているかなどを踏まえた上で、
論文に書かれていた介入が自身の臨床に活用できるのかどうかを検討していきましょう。
代用できそうなものがあるのであれば、代用したい機器を用いた論文がないか探してみましょう。
もしくは、はじめから自身の施設で日常から使用されている機器を含めて論文の検索をした方が早いかもしれません。
// /担当セラピストの知識・技量を踏まえた検討をする
これも大切ですね。
論文に書かれている治療や評価を
- 的確に理解できる知識
- 正確に行える技術
これを現在の自分が持ち合わせているかを検討しましょう。

どのような姿勢・状況で実施する?
注意するべき点はなのか?
日常的に使っているか?
自分一人でもできるものか?
もし、上の事項が満たされていない場合、
正確な評価も的確な治療も行える可能性はグッと下がり、論文で述べられている効果を患者さんに提供できなくなってしまいます。
なので、もしその評価や治療法に関する知識がなければ教科書などで調べたり
技術が足りないと感じたら、職場の先輩や同期や、最近なら動画をみながら練習したり
賛否あると思いますが、現在なら色々な方法が溢れていると思います
勉強会だけではなくてリハデミーなどの定額動画学習サービス、Youtubeやnote、その他TwitterなどのSNSなど
これ以外にも探せば色々なものが出てくると思います!
自分に合ったものがなんなのかを模索しながら(悪質なサービスにはご用心)
効率的に自己研鑽して正確な評価や治療を患者さんに提供できるようにしましょう!
患者の価値観との擦り合わせを踏まえた検討をする
実際の臨床場面でEBPTを実践するにあたってはこれが一番重要であり、一番難しい部分で間違い無いでしょう。
これはSTROKE SUMMIT2020で講師の先生たちが何度もその重要性を話していました。
自分が調べてきた介入方法がいくら優れていたものであっても
患者さんの価値観と相容れないものであったなら、臨床に役立つことは難しいです

価値観と表現していますが、この言葉の中にはいろんな用語が含まれていますよね
キャラクター、障害受容、趣味、得意、不得意、意識高いetc…
このような価値観(個別性)と論文という客観的な情報(普遍性)をなじませるようにして臨床を行なっていくことが未来を歩んでいくセラピスト達には必要なことなのだと思います。
まとめ:研究と臨床を融合しよう
研究家と臨床家の対立はずっと続いていると言われていますが
今回、自分がSTROKE SUMMITで拝聴してきたり、自身でEBPTについてまとめてきた過程の中で、この2つは相容れないものではないと思いました。
研究によって示された客観的な情報も、
臨床で培われてきた勘や技術も、
実際の患者さんの価値観の下にうまく掛け合わせていくことで
より質の高いリハビリテーションを提供していけるものだと信じ
これからの臨床に臨んでいきたいと思いました!
最後まで読んでいただきありがとうございました!
参考になった方は下のボタンを押してくれたら嬉しいです!!