- 心エコーの見方が分からない人
- LV wall motionがなんなのか分からない人
- 心エコーの結果に載っている丸い図が何か分からない人
- 17分画法と冠動脈灌流域の関係が分からない人
Contents
はじめに
おばんです!
Yu-daiです!!
前回は心エコー検査の結果における左室拡張能の重症度分類について勉強しました!
本記事で心エコー評価編はとりあえず最後になります!!
本日は”左室の局所機能”の項目について勉強しましょう!
みなさんはこんな図に見覚えはありますか??

「これどう見ればいいんだろう?」
こんな感じで心エコー結果をみながら流したことないでしょうか?
本記事を最後まで読んでいただくと…
この図の意味とその見方が分かります!!
分からないをそのままにしないようにしましょう!!
たったの5分くらいで読み終わります!
少しでも学んでいくことが大切です。
それでは、最後まで読んでいただけたら嬉しいでーす!
// /左室壁運動(LV wall motion)とは?

心エコー検査を用いると心臓の様々な状態が分かります!
- 心壁の厚さ
- 心室・心房の大きさ
- 弁など
左室壁運動はその中の1つです!
左室壁運動(LV wall motion)を簡単に説明すると…
左室の心壁がどれくらい動くかどうか!
左心室は、
拡張期→大きくなる
収縮期→小さくなる
このような動きを見せますが、
正常な場合はすべての場所が均等に動きます!
その動きは心エコーを用いて
- 心内膜の動き
- 心筋壁厚の変化
- 心筋壁のエコー性状など
これらの項目から分かります!
この検査の目的としては…
”心筋梗塞”のような虚血性心疾患などによって
障害されている部位がどこなのかを非侵襲的に測定することです!
先ほど心壁の動きは均等になると話しましたが、
虚血性心疾患によって障害された部位は壁運動異常が出現します。
医師のカルテでは局所壁運動異常を指して
asynergy(アシナジー)
このように記載されていることもあります
// /左室の局所機能は左室分画モデルを用いて評価する!!
簡単ですが
左室壁運動についての説明はこれくらいにして
いよいよさっきの図が何を表しているのかを説明していきますね!!
左室分画モデルとは?
先ほどの図は
左室分画モデル
このような名前がついています!
これから左室分画モデルについて説明していきますね!!
左室局所機能は
左心室をいくつかに分けて評価する必要があります!
でも適当に分けてはダメ!!
- 冠動脈の灌流域を反映しているか
- 区域ごとの心筋重量が同等か
- 心エコー同士やその他の画像診断法と情報交換が可能か
これらの条件を満たすように用いられているのが
17分画モデル
先ほどの図になります!!

その他にも
心尖部の分画の違いで…
16分画モデル(心尖を中隔・下壁・側壁・前壁の4つに分画)
18分画モデル(基部と心室中部レベルと同じく心尖部を6つに分画)
これら2つのモデルも存在します!
全ての分画モデルは心尖部からの画像によって評価することができます!!
分画モデルの見方(17分画モデルの場合)
それでは、今回は17分画モデルを用いて
心エコーの結果からどのように読み解けばいいのかを紹介します!
心筋の短軸断層像
(心臓の長軸を直角に切断!様々な高さで心臓の輪切りにするイメージ)
心臓を輪切りにするように
✔︎心基部
✔︎中央部
✔︎心尖部
これらに分けます!
そしてそれぞれ6・6・4セグメント(切片)に分割し
長軸垂直断層の中央のスライスから
心尖部の1セグメントを加え17セグメントに分割します!!

これの図を合成したものが17分画モデルになります!!
次に位置関係を整理しましょう!
位置関係を整理すると…
上側→前壁
左側→中隔
右側→側壁
下側→下壁
このようになっています!!

分画モデルと冠動脈灌流域の関係
ここが最も重要です!!
この分画モデルを用いて
どこの冠動脈の領域が障害され
壁運動が落ちているのかを確認しなければいけません!!
冠動脈には枝の走行によってそれぞれ名前が違います。
- LAD(左(冠動脈)前下行枝)
- LCX(左回旋枝)
- RCA(右冠動脈)
それぞれ
LAD→ 心室中隔(3分の2)、心臓の前壁、心尖部
LCX→左側壁、左後壁
RCA→後壁、下壁(4PDは心室中隔の3分の1)
これらの領域にそれぞれ酸素や栄養を送っています!!
(相互支配領域は個人差あり)
分画モデルにおいては
下の図のように
灌流域を大まかに分けることが可能です!!

左室下側壁のような相互支配領域に関しては個人で差があるので
この図に当てはまらない場合もあるのでその他の領域と含めて総合的に判断してください!
壁運動評価について
次に壁運動の状態の評価についてですが…
ガイドラインにおいては
(1)正常、あるいは過収縮
(2)運動低下(壁厚増加運動の低下)
(3)無運動(壁厚増加が欠如または無視できる)
(4)奇異性運動(収縮期の壁菲薄化や伸展運動)これら4段階評価が適応されるべきである
心腔計測におけるガイドライン 2015 年
このように言われているようです。
当院においては
- Not scorable(計測不可)
- Normal(正常)
- Mild Hypokinetic(軽度運動低下)
- Hypokinetic(運動低下)
- Severe Hypokinetic(重度運動低下)
- Akinetic(無動)
- Dyskinetic(奇異性運動)
- Aneurysmal(瘤状変化)
このような表記でそれぞれ色分けされています!!
臨床で頻回に使用するのは…
✔︎Hypokinetic(mild~Severe)
✔︎Akinetic
この2つ!
自分で色を決めて、17分画モデルに塗れば見た目にも分かりやすくなりますよ!!
まとめ
いかがだったでしょうか?
今回は、心エコーにおける
17分画モデルの見方について勉強しました!!
- 左室局所機能は17分画モデルを用いて評価する
- 17分画モデルは心基部、心中部、心尖部に分けられる
- 17分画をLAD、LCX、RCAの領域ごとに分けることができる
- 相互支配領域については個人差があり総合的に判断する
- 壁運動評価は大まかに4段階ある
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