【心臓のリスク管理に重要!】理学療法士が心エコーでみるべき最低限の項目や指標を厳選したよ!

この記事を見て欲しい人!
  • 心エコー検査がどんなものか簡単に知りたい人
  • 心エコー検査で心臓のどんな情報が読み取れるのかを早く知りたい人
  • 心エコー検査で最低限確認しなければいけない項目が何かを知りたい人

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はじめに

おばんです!

Yu-daiです!!

今回は心エコーのまとめについて!
今までの総集編のようなものになります!!

この記事は…

心エコーで最低限どこを確認するべきなの?

と思っている方におすすめの内容です!

心エコー検査についても少し細かく説明しているので
最後まで見ていただけると嬉しいです!

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心臓における左室収縮能の評価

まずはみなさんも知っていると思いますが

左室収縮能の評価について!

  • LVEF(左室駆出率)
  • FS(左室内径短縮率)
  • MAD(僧帽弁輪移動距離)

これらの項目を確認すれば評価できます!

左室収縮能についてはこの記事で説明しました!!

この記事を読んでいただくと…

この記事で分かること!
  • 左室駆出率についての基本
  • BモードとMモードの違い
  • 左室駆出率を用いた心不全の分類
  • 左室駆出率に影響をもたらす因子
  • 左室駆出率以外の収縮能の指標について

これらについて分かります!!

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心構造の評価

次に心臓の構造について!

心臓の構造とは

✔︎心壁の厚さ
✔︎心室心房の大きさ
✔︎動脈の太さなど

これらのことを指します!!

心エコーにおいては、


Measurement

という項目の中に以下の項目が羅列されています!

  • 大動脈径(AOD)
  • 左房径(LAD)
  • 右室径(RVD)
  • 上行大動脈(AAO)
  • 下大静脈径(IVCD)
  • 心室中隔壁厚(IVST)
  • 左室後壁厚(PWT)
  • 左室拡張末期径(LVDd)
  • 左室収縮末期径(LVDs)

心構造についてはこの記事で詳細に説明しています!

これを読んでいただくと…

この記事で分かること!
  • 大動脈瘤や大動脈解離の評価
  • 左心不全や心房細動の評価
  • 右心不全の評価
  • 左室肥大の評価
  • 左室収縮能の評価

これらが可能になります!!

みなさんにおすすめしたいのは
心房細動の評価!

心原性脳梗塞患者には一過性心房細動により発症し
入院中は洞調律に戻っている方もいます!

そういう方の場合に
心エコーの結果から心房細動が生じる可能性が高いのかどうかを
評価することが可能です!

ぜひみていってください!!

左室拡張能の評価

次は左室拡張能について評価しましょう!!

左室拡張能を評価したい場合は…

✔︎E/A

✔︎DCT

✔︎E/e’

✔︎肺静脈血流速波形

ここをみれば分かります!

詳細は以下の記事で説明しています!!

この記事を読んでいただくと…

この記事を読んで分かること!
  • 左室拡張能の基本的な指標について
  • 各指標を確認するときの注意事項について
  • 偽正常化をどのようにして見極めるのかについて

これらについて学ぶことが可能です!!

新人の頃の僕もでしたが、


収縮能についてはしっかり確認するのに
拡張能については全くみていないことが少なくありません…

心リハに携わっている人はともかくとして…

・脳卒中
・整形

これらの領域でも高齢者の場合は…
拡張能が低下している方は少なくありません!

私は脳卒中に携わっていますが

収縮機能が低下した心不全(HFrEF)
よりも
収縮機能が保持された心不全(HFpEF)

こちらのタイプの慢性心不全を既往に持たれている方が多い印象!

拡張能についての評価を知っていないと…

「慢性心不全の人だけど左室収縮能は大丈夫!」

「どんどん離床して歩行練習もどんどんやろう!」

こんな感じで介入してしまい、

脳卒中の治療(補液など)に加えて
過剰な運動負荷を提供してしまうことで

慢性心不全の急性増悪

この状態を引き起こしてしまう可能性があります!

急性増悪については以下の

【10分で分かる!】脳卒中で心不全を合併してしまう原因について分かりやすく解説!!

ここで説明しています!

弁膜症の評価

最後は弁膜症の評価についてですね!

心エコーの結果においては

✔︎大動脈弁(Aortic valve)
AS(大動脈弁狭窄)
AR(大動脈弁閉鎖不全)

✔︎僧帽弁(Mitral valve)
MS(僧帽弁狭窄)
MR(僧帽弁閉鎖不全)

✔︎三尖弁(Tricuspid valve)
TS(三尖弁狭窄)
TR(三尖弁閉鎖不全)

✔︎肺動脈弁(Pulmonary valve)
PS(肺動脈弁狭窄)
PR(肺動脈弁閉鎖不全)

S:stenosis  R:regurgitation

これらの項目が

  • trivial=trace(些細な)
  • mild(軽度)
  • moderate(中等度)
  • severe(重度)

このように分類されています

さらに詳細な重症度を評価したい場合は…

狭窄の場合

  • 弁口面積(aortic valve area;AVA)
  • 弁口通過最高血流速度(Vmax )
  • 平均圧較差(Mean PG)

閉鎖不全の場合

  • 弁逆流量(RVol)
  • 弁逆流率(RF)
  • 有効逆流弁口面積(EROA)

これらを確認してください!!

弁膜症についてはこちらで詳細な説明をしています!!

この記事を読んでいただくと…

この記事を読んで分かること!
  • 大動脈弁の狭窄・閉鎖不全の各指標について
  • 僧帽弁の狭窄・閉鎖不全の各指標について
  • 各指標をみるときの注意点について
  • 各指標を用いた重症度分類について

これらについて分かります!!

心臓エコー(超音波)検査について

最後に心エコー検査について説明します!

私たちは普段
検査結果のみを用いていると思いますが、

心エコーには

✔︎どんな種類があって
✔︎どんな測定法があるのか
✔︎測定法によって注意する点はあるか

これらについて少しでも学んでおくことで
より正確な評価が可能になります!

ではいってみましょう!!

飛ばしたい方はこちらをクリック

心エコーとは?

心エコーは超音波を用いて非侵襲的

心臓の…

  • 形態的(解剖学的)診断
  • 機能的診断

これらを総合的に評価するための検査です!

形態的診断では、

心室・心房の大きさや壁厚など

機能的診断では、

心臓の動き(働き)

大きく分けると
これら2つのことが定量的に診断できます

この検査によって
以下の疾患の診断(一部の診断)が可能です!

  • 心筋梗塞
  • 心臓弁膜症
  • 心不全
  • 心筋症
  • 心内膜炎
  • 心外膜炎
  • 心タンポナーゼ
  • 心臓腫瘍
  • 先天性心疾患
  • 肺高血圧症など

心臓超音波の種類

心エコーにはいくつか種類があります!

今回は、評価についての記事なので少し簡単にですが紹介します!!

心臓における超音波検査は大別すると2種類

  • 心臓超音波検査(経胸壁心エコー)
  • 経食道心臓超音波検査(経食道心エコー) 

この2種類に分かれます。

経胸壁超音波検査(TTE:Transthoracic echocardiography)とは

この方法が一般的です!
上の”心エコーとは”で話していたものもこちらに該当します!

特徴は…

非侵襲的

平成30年度における診療報酬は880点で
3割負担だと2700円程度のようです。

経食道エコー(1500点)と比較すると安価です

超音波は以下の方法で
心臓から様々な情報を手に入れてくれます

✔︎Bモード

BはBrightness;輝度の略です
基本的な縦や横の心臓の断面像を得ます。

その情報から心臓の大きさや周囲,壁や弁,異物などが観察できます。
EF(左室駆出率)はBモードの方がEFの値は正確です!

✔︎Mモード

MはMotion:動きの略です
MモードはBモードで得られた断層像を用いて経時的にその動きを表示したものです。
心臓壁や弁の動き、内腔の大きさの変化などを時間ごとに表してくれます。

 

✔︎ドプラモード(法)

心臓内の血流を測定する場合に用いる方法をドプラ法と言います。

ドプラモードは
赤血球から反射する超音波の周波数の変化を測定することにより
血流を測定することが可能になっています!

ドプラモードでは

  • パルスドプラ法
  • カラードプラ法
  • 連続波ドプラ法

など種類が分かれています

これらを目的別に使い分けて
目的の部位における血流速度や血流方向を調べ

・弁逆流
・短絡の有無
・心内圧の推定など

これらの評価が可能です!

メリット

非侵襲的

安価

壁厚や内腔評価についてはTEEよりも正確

sTEE とTTE で、特に心内腔の距離や厚さに関して測定値の差異が見られる。これらの相違は、経胸壁的に定量化した標準的な平面像や計測値は、経食道的アプローチから、得ることができないことが主な原因である。

心腔計測におけるガイドライン 2015 年 

デメリット

デメリット

骨や肺、脂肪の影響を受けやすい

心臓の位置関係から以下の評価が苦手
・左心房
・左心耳
・肺動脈弁
・大動脈弁
・僧帽弁
・大動脈

経食道超音波検査(TEE:Transesophageal echocardiography)とは 

次に経食道超音波検査について!

経食道心エコーは経胸壁エコーと違い肺や肋骨などよる干渉がなく
経胸壁エコーで不十分だった箇所に関してより正確な評価が可能です


基本的には経胸壁超音波検査よりも正確な情報が手に入りやすくなっています

循環器病の診断と治療に関するガイドライン
循環器超音波検査の適応と判読ガイドライン(2010年改訂版)

上記のガイドラインによると

  • 塞栓源検索(心腔内、卵円孔開存、心房中隔欠損など)
  • 弁膜疾患(自己弁および人工弁)
  • 感染性心内膜炎の疑われるとき
  • 心房細動の除細動前の検査(特に左心の血栓検索)
  •  胸部大動脈の評価(大動脈解離、大動脈瘤など)
  • 先天性心疾患
  • 心臓腫瘍(大きさ、付着部位など)

これらの項目についての情報が得られるだけでなく…

  • 心血管手術時のモニター
  • 非心血管手術時のモニター

手術中においても
重症患者の心臓の形態・機能情報を得ることで
治療方針変更などにかかわる追加情報を取得することも可能です!

上記のような場合で、
TTE では十分な情報が得られないとき…

TEEが有効と言われています!

日本脳神経超音波学会ほか:経食道心エコー図検査による塞栓源検索ガイドラインによると
TEEの禁忌項目としては以下が挙げられています!

  • 食道狭窄
  •  食道腫瘍
  •  食道静脈瘤
  •  食道潰瘍
  •  食道憩室
  •  食道裂孔ヘルニア
  •  胃・食道手術後
  •  頸椎の可動性低下を認める状態 ・ 頸部への放射線治療後
  • 検査への協力が得られない場合

それでは、メリットとデメリットは簡単にご紹介して次にいきましょう!

メリット

TTEよりもより正確な心臓の情報が手に入る

デメリット

デメリット

侵襲的

医療コストはTTEよりも高い

TTE・TEE共に3次元心エコー(3DE)が可能 

一般的に超音波というと

2次元心エコー(2DE)

 

という撮影法ですが

コンピュータの進歩や解析ソフト開発で 

最近は3次元で評価が可能になりました。

当たり前ですが2Dより正確な評価が可能です

経胸壁超音波と経食道超音波の違いを抑えておけば大丈夫!

今まで2000字くらい使って説明してきて

色々な方法が出てきました!
こんがらがってきちゃう人もいると思います

僕もインプットしながら「あれ?わからなくなった」
とかありましたし。笑

実際の臨床現場においては

カラードプラー法でここの機能が~
とか
パルスドプラー法で~

という情報は出てきません!笑

理学療法士として基本的に覚えた方がいいのは

✔︎経胸壁エコー(TTE)

→いわゆる一般的なエコー
様々なモードで心臓の形状や弁の状態などを把握できる

様々なモードでみている(BモードとMモードくらいは覚えよう!)

✔︎経食道エコー(TEE)

→経胸壁よりも正確な評価が可能
 弁や塞栓源の精査には必須

こんな感じで覚えておきましょう!

まとめ

さあ、いかがだったでしょうか?
今回は心エコーについてのまとめを書いてみました!!

今後、内容は追加もあるかもしれません!

それでは、まとめです!!

本記事のまとめ!
  • 左室収縮能はLVEF・FS・MADという項目をみよう!
  • 心構造は心エコー結果の”measurement”という項目をみよう!
  • 左室拡張能はE/A・DCT・E/e’・肺静脈血流速波形という項目をみよう!
  • 弁膜症は各弁の狭窄・閉鎖不全ごとにtrace・mild・moderate・severeに分かれる
  • 狭窄症の重症度を分類するには弁口面積・弁口通過最高血流速度・平均圧較差をみよう!
  • 閉鎖不全症の重症度を分類するには弁逆流量・弁逆流率・有効逆流弁口面積をみよう!
  • 心エコーには経胸壁エコーと経食道エコーの2種類がある
  • 経食道エコーの方が侵襲的である反面正確な評価が可能になる
  • 3Dエコーによってさらに詳細は評価が可能になっている

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