- 学生や若手セラピストで文献検索をしたことがない人
- 症例への介入がうまくいかず参考にするための情報が欲しい人
- 症例報告をやってみたい人
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はじめに
御覧にきていただきありがとうございます!
先日開催されたSTROKE SUMMIT2020を聞いた方々の中には
今やる気に満ち溢れている方々も多いのではないでしょうか?
STROKE SUMMIT2020に行ってきた!【学んだこと・感想】 | Re:wordblog
僕もその一人です笑
STROKE SUMMITでは講師の先生方が普遍性と個別性を以下にマッチングさせて臨床に落とし込んでいくかが重要と話されていました。
そして、もう一つ重要なのが、
「文献を読むための素養を身につけよ」
研究の結果のみをみてそれを鵜呑みにするのではなく、対象者や測定方法、統計解析まで目を通して客観的にその研究の結果が信頼しうるアウトカムなのかというところまで調べる必要があるとおっしゃっていましたね!
ですが、論文の探し方や見方、それに加えて批判的な吟味もしなければならないと言われると
文献探しを躊躇うような人もいるんではないでしょうか?新人時代のダメダメな私なら絶対諦めてました笑
そこで、今回の記事からはEBPT入門編として論文の探し方から批判的吟味でどこをみたらいいのかまでを簡単にまとめていこうと思います!!
今回は文献探し編の前半です!それではよろしくお願いいたします!!
// /知りたい内容を調べやすい形に整理しよう
皆さんは、文献を探したい時どうしていますか?
「とりあえず知りたいことについてその用語を入れればいいや!」
と思っている方もいるのではないでしょうか?
それでも見つかるかもしれませんが、
昔の自分もやってみましたが検索ワードに引っかかる論文の数が多いです。
なので、少し効率が悪い…
それでも適切な文献を見つけられたらいいのですが、
調べたいことについて整理されていないと
本当に調べたい内容と微妙に違うものを探し当ててしまうこともあります。
それではどうすればいいのか?
// /PICOを作成しよう!
PICOって何ですか?と思う人もいますよね
これは文献を吟味する時にも用いたりするのですが
調べたい内容について決まった形にすることで、具体的な内容を検索したり検討できるようにするための書式です!
P:Patient(患者)
I:Intervention(介入)
C:Comparison(比較)
O:Outcome(結果)
この4項目に分けることができます!
PICOの例
簡単に具体的な例をここに書いておきます
P:急性期脳卒中患者
I:通常の理学療法+機能的電気刺激(Functional Electrical Stimulation:FES)と
C:通常の理学療法を比較して
O:どちらの方が転院時における歩行獲得の割合が多いか?
こんな感じに書けばOK!!
この患者さんはこの治療を組み合わせたらどうなのかな?とか、こういう症状の人はどれくらいで自宅で帰れるんだろう?と言った疑問点をなるべく具体的に当てはめるようにしましょう!
文献を検索してみよう!
調べたいことを明確化することができたら
今度は、いよいよ調べていきましょう!
でも調べる前に少し手順があるので、それについて説明しますね!!
皆さんは1次情報(文献)と2次情報(文献)というワードを知っているでしょうか?
STROKE SUMMITでも藤本先生が使っていましたよね??
1次情報・2次情報とは?
1次情報とは、
特定の研究課題に対して独自の治療やアプローチを行いその結果を詳細にまとめた論文のことです。
原著論文とも言います。
2次情報とは、
この原著論文を複数まとめて1つに要約したものです。
どのようなものが当てはまるかというと…
個人による症例検討、比較・相関研究など
システマティックレビュー(系統的総括)、メタアナリシス(メタ分析)
2次情報については少し補足しますね。
(定性的)システマティックレビュー
テーマに沿ったRCTなどの質の高い1次情報を複数収集して批判的吟味をした定性的まとめ
メタアナリシスとは違い、批判的吟味という過程を重視していて,定量的に結果を表すかどうかは問われまない。
結果はエビデンスの強さの判定に反映される。
メタアナリシス(定量的システマティックレビュー)
メタ=分析の分析という意味
複数の1次情報を集め、それらの結果を統計を用いて定量的に表すことが必須条件
システマティックレビューの「統計解析」にあたる部分
難しい用語が少し整理されたところで、
文献を調べる際に、1次情報と2次情報のどちらを先に検討するべきだと思いますか?
まずは2次情報から検索しよう!
正解は2次情報から!
なぜなら、統計学に精通したメンバーが複数の原著論文を比較や方法だけでなく、バイアスリスクも評価した上でまとめたものを最新のエビデンスとして公表しているから!
また、プロセス的には定期的に新しく質の高い論文も取り入れて解析しなおすので、常に新しい情報が更新されます。
ただし、
しかし,メタアナリシスで複数の研究を量的に統合して影響量を大きくしても,その後に行われた大規模試験で背反する結果が出ることもある。そのため,メタアナリシスの結果解釈には細心の注意が必要である。
卓 興鋼 ら
エビデンスに基づく医療(EBM)の実践 ガイドライン システマティックレビューおよびメタアナリシスのための優先的報告項目(PRISMA声明)
というように言われていますので、見る側の論文をみて分析する能力も問われてくるわけです。
論文の批判的吟味についてはまた別の記事でまとめようと思います。
基本的には2次情報から検索しますが、珍しい症例などについては数が揃わず、1次情報である原著論文のみしか公表されてないことが多いです。
しかし、2次情報ではないからという理由でその報告を見ることを疎かにするのは良くありません。
自分が担当した症例に合致するものがあれば積極的に参考にして、介入と結果の解釈をしてみたらいいと思います。症例発表として学会などに出せるかもしれません。
論文はどこから収集するのが正解?
どこの検索サイトで調べればいいの?と思う方もいると思うのでいくつか候補を挙げておきます!
PubMed
知ってる方多いと思います!!
米国国立医学図書館の国立バイオテクノロジーインフォーメーションセンターが企画したプロジェクト。
1997年6月から開始した文献データベースの無料検索サービスです!
医学だけでなく、歯学やヘルスケアなど広い範囲の分野を取り扱っていて、毎日文献が追加されたり、更新されています。
ここで調べれば世界中の文献にアクセスが可能です!
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/PubMed/
ちょっとした注意点ですが、検索サイトは英語ですので、調べたいワードの英語などを調べておく必要があります。
専門用語なので、微妙なニュアンスの違いというか、Google翻訳で調べたワードと実際の文献に用いられているワードが違っていることもあるので、うまく調べられるようには少し慣れが必要になるかもです!
The Cochrane Library
Cochrane(コクラン)と読みます
1992年に発足された世界中から質の高い文献を収集して、システマティックレビューとメタアナリシスに基づいた評価結果を提供するという世界的な医療評価プロジェクト
多くの2次情報を発表しているので、PubMedと併用していきたいですね。
https://www.cochranelibrary.com/about/about-cochrane-library
コクランもPubMedと同じで検索ページは英語です
医中誌Web
特定非営利活動法人医学中央雑誌刊行会(略称:医中誌)が作成・運営しています。
国内の医学論文情報のインターネット検索サービスです。
EBM(Evidence-Based Medicine)への対応をも考慮されていて、2003年作成分のデータ全ての原著論文について該当する場合は、
「メタアナリシス」
「ランダム化比較試験」
「比較臨床試験」
「比較研究」
「診療ガイドライン」
などの研究デザインのタグが付けられているのでその原著論文から2次情報を辿ることが可能です。
https://www.jamas.or.jp/service/ichu/
PubMedやコクランと違い、検索サイトが日本語ですので、英語で検索するのが苦手…という方にはオススメ!!
まとめ
今回は、EBPT入門編の文献の探し方についてまとめてみました。次回はPubmedの使い方と論文の見つけ方のコツについてまとめてみようと思います!
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できるだけ早く記事にするのでまたぜひおいでください!!