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はじめに

おばんです!!Yu-daiです!
新人セラピストや学生向けに
”脳卒中”や”急性期におけるリスク管理”などを中心とした
知識の発信をさせていただいています!!
今回の記事では脳画像における”頭頂葉”の見方についてまとめていきます!
脳画像の内容としては初歩的な内容になっていますが、
脳画像は脳卒中患者の介入前の情報収集の中でもかなり重要な項目です!!
学生や新人セラピストの時期だからこそできる範囲ですから、
なんとなくここら辺かな?で済まさずに確信を持って部位を同定して担当患者さんの脳画像を読み解いていきましょう!
<<その他の脳画像の見方を知りたい方はこちらの記事も見てみてください!>>
〈〈頭頂葉の詳細はこちらのページがおすすめ!〉〉
// /脳画像各スライスにおける頭頂葉の探し方・同定方法

それでは頭頂葉の探し方についてまとめていきます!!

頭頂葉は脳画像のどのスライスで見ることができるんですか?
脳画像は以下のスライスに分けられています!
- 皮質レベル
- 半卵円中心レベル
- 放線冠(八の字)レベル
- 基底核(モンロー孔)レベル
- 中脳レベル
- 橋レベル
- 延髄レベル
”頭頂葉”を確認できるのは赤文字の部分です!
その他のスライスはその他の前頭葉や後頭葉、脳幹などの状態を確認するために用いるので気になる方はCheckしてみてください!!
頭頂葉の探し方【皮質レベル】

皮質レベルにおいて、前頭葉と頭頂葉を明確に分ける部位として
”中心溝”
この脳溝の位置を知ることで頭頂葉の同定が可能になるため重要です!!
中心溝よりも後方が頭頂葉です!!

中心溝はどうやって探せばいいんですか?
中心溝の探し方には何種類か存在します!!
代表的なものだと…
- 逆Ωサイン
- 帯状溝法
- 上前頭溝法
これらの方法があります!!
詳細はこちらの記事でまとめているので中心溝の同定方法を知らない方は要チェックです!!
また、領域はかなり小さいですが”後頭葉”も確認できるため
頭頂葉と後頭葉の領域を区別する方法も覚えましょう!!

そのためには以下の指標を使います!!
- 中心後溝
- 頭頂間溝
”中心後溝”は中心後回の後方に位置する脳回です!
※帯状溝の位置からも予測が可能です!!
”頭頂間溝”は中心後溝から垂直におり、上頭頂小葉と下頭頂小葉に二分します!
中心後溝と頭頂間溝で”丁の字”を形成するのが特徴的ですね!ここは下のスライスでも頭頂葉の同定のために重要なので覚えておきましょう!!
頭頂間溝が到達している範囲が頭頂葉の範囲になり、
脳溝を隔てた後方に位置する領域が後頭葉になります!!
頭頂葉の探し方【半卵円中心レベル】

次は半卵円中心レベルです!!
皮質レベルと同様で中心溝を探すことで分かります!!
探し方としては、皮質レベルと同様の方法で可能です。
人によっては逆Ωになっておらず分かりづらいこともありますが、
その場合には、脳回を前から順番に数えていくとそこから位置関係を把握して中心溝を見つけ出せます!

皮質レベルでの中心溝の位置からある程度推測しているといいかもしれないね!!
また、このレベルも”後頭葉”を確認できるので、
頭頂葉と後頭葉の同定も行なっていく必要があります!!
頭頂葉と後頭葉を区別するためにまた以下の指標を使用します!
- 中心後溝
- 頭頂後頭溝
- (図にないですが)頭頂間溝
イラストのデザイン上分かりづらくて申し訳ありませんが…
中心後溝と頭頂間溝で形成された”丁の字”を探しましょう!!
頭頂間溝が貫通している脳回までが頭頂葉です!!
また、内側部には”頭頂後頭溝”と呼ばれる脳溝があり、ここを境に頭頂葉と後頭葉を分けることも可能です!!

皮質レベルと比較すると、後頭葉の領域が少し大きくなったね
ちなみにこのレベルの頭頂葉には…
- 上頭頂小葉
- 下頭頂小葉
- 体性感覚野など
これらの部位があり、障害されることで様々な高次脳機能障害が生じます。
どの部位の損傷によってどんな症状が出現する可能性があるのかを知っておきましょう!
頭頂葉の部位の詳細な同定方法はまた別の記事でまとめます!
〈〈高次脳機能について知りたい方はこちらの記事がおすすめ〉〉
頭頂葉の探し方【八の字レベル】

次は”放線冠(八の字)レベル”です!!
側脳室体部レベルとも言いますね!
このレベルでも基本的には”中心溝”を境として
”前頭葉”と”頭頂葉”に分けることが可能ですが…
皮質レベルと比べると脳溝が小さく、逆Ωのような特徴的な形をしているわけではないのでかなり探しづらくなります…

確かに、だんだんと中心溝が分かりづらいですね…
どうすればいいんでしょう?

このレベルから、側脳室が出現するのが特徴的だけど
この側脳室の”半分よりも前方に”中心溝はあるよ!!
中心溝という名前からだとちょうど中間くらいにあると思うかもしれないけど実際はそうじゃないので気をつけよう!
きっちり探したい!!という方は…
上前頭回→中前頭回→下前頭回→中心前回
前方から順を追って脳回を数えていくと”中心前回”の位置から”中心溝”を想定することができます!!
そして、このレベルも”後頭葉”があるので
後頭葉との境界も同定できるようにならないといけません!!

このレベルにおける重要な指標はこちら!!
- 中心後溝
- 頭頂後頭溝
- 角回
これらを用いて頭頂葉と後頭葉を同定します!
中心後溝は中心溝からの位置関係ですぐに同定が可能なはずです!!
そこから順に”縁上回””角回”と順に辿っていくと後頭葉が分かります!
また、頭頂後頭溝は帯状回・後頭葉を垂直に隔てる脳溝です
頭頂後頭溝の位置が分かれば、頭頂葉のおよその領域も分かります!
”角回”は中心後溝から順を追って探しても見つかりますが…
側脳室から延長線を延ばした位置でおよその位置が特定できます!!
”上側頭溝”が良い指標になるはずです!
これらの指標を用いて、頭頂葉・後頭葉の同定をしてみましょう!!
// /まとめ【脳画像の見方をマスターするには?】


これで、頭頂葉の同定方法がわかった気がします!!
早く、教科書などに頼らずに読影ができるようになりたいなぁ

結論から言うと…
数をこなして慣れるしかない!(笑)
だけど、僕がお世話になった教科書にはこう書いていたよ!!
1.人間の脳はあいまいにしか覚えられない
土肥守:病態と症状でみる 脳の画像診断 メディカ出版,2006
2.脳のどこの部分を見分けるのか
3.情報を捨てることの重要性
4.スケッチしてみよう
5.人は失敗しないと覚えない
6.なるべくたくさんの画像を見るほうがよい
7.よくわからないときは左右で比較してみよう
8.「典型例」は自分の頭の中にしか存在しない
9.画像を作る原理だけは理解しておこう
10.画像診断は補助診断です
これらの項目を読んでから僕が実際に試してみた方法はこちら!!
- 勉強するスライスを限定した(担当患者に関連した部位とか)
- 簡単&下手でもいいからスケッチして病巣と部位を確認してみた
- 自分で読影した結果を上司にプレゼンした
- 病変部位が小さくても手を抜かずに考えながら読影した

意外に少ないんですね…

脳画像以外にもリスク管理上確認すべき情報は他にもあったからね〜
スケッチに関しては十分な理解が得られていない箇所に限って行ったよ!!
でも、一番は上司に読影内容を何症例もプレゼンして何度も間違いを指摘された方が覚えが早かったかな…笑
僕が実際に実践した内容は4項目ほどですが、
上の著書で書かれているポイントのほとんどはカバーできていると思います!!
僕の経験上、重要なのは…
⑤の”人は失敗しないと覚えない”
先輩・上司がいるような環境なら積極的にチャレンジしてみましょう!
(精神的にキツかったら無理にしなくても大丈夫ですよ!)
相談しやすい相手がいるならば、リハ医や脳卒中外科・脳卒中内科のDr.でもいいと思います!!
(Dr.の知識には到底及ばないですから…笑)

同期で相談しあってもいいかもね!!
とにかく、
他人にプレゼンして間違いや勘違いを指摘してもらう体験
この体験が一番の糧になると僕は考えています!
あとはめげずに自分が担当した症例でどんどん繰り返して数をこなしてください!!

僕も新人時代よりかはマシになったとは思っているけど、
今でもどう考えればいいか分からないことも結構ある…。
そんな時には今でも上司に相談するようにしているよ!
この記事が少しでも皆さんの臨床や学習に貢献できたら嬉しいです!!
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脳画像について普段から勉強に使っている書籍はこちら!!
- 部位の探し方を指標やポイントなども示しながら説明してくれる
- 脳機能や解剖学の知識を画像・イラストを用いて解説してくれる
- 内容がリハビリ寄りのため出現する臨床症状などが理解しやすい
- 改訂により認知症画像が追加された
- 改訂版第2版は初版より2000円も安く購入できる!

よくあるスライスごとの部位の位置関係や出現する症状だけを記載しているだけじゃない!
その探し方まで記載してくれているから臨床での再現性が高い内容だよ!!
僕が今実習生時代に戻ってしまったとしたらこの書籍は絶対に肌身離さず携帯します笑
一応、初版も掲載しておきます!!
中古だと3000円とグッと安く購入できるようになっていますね!
コスト重視ならこちらを中古で購入するのもアリだと思います!!
- フルカラーで見やすい!
- 唯一拡散テンソル画像の掲載あり!!
- 書籍内の画像をDVDからダウンロードして使用できる!
- PT・OT・ST向けに臨床症状などの情報もしっかり掲載!

“拡散テンソル画像”は脳内の神経繊維の描出が可能な画像だよ!!
つまり、皮質脊髄路や上縦束などの神経繊維の走行などもこの教科書で勉強することが可能です!!
テンソル画像は就職してからその存在を知ったけど、海外の研究を中心によく用いられているから今から勉強しておいて損はないよ!
書籍内の画像を自身の勉強にも利用できるのはかなりポイントが高いですよね!!
職場内の勉強会の資料にも使用可能ですし、その点も考えれば5000円以内で買えるのはかなりお得?
その他にもたくさんの書籍がありますが、それはまたの機会に使用と思います!
学生さんなら最低限、これらのどれか1冊を携帯しておけば実習で困ることはないんじゃないかと思います!!
おそらく実習前の図書館では争奪戦必至になる可能性があるので(僕の学生時代の人気書籍はそうだった笑)バイト代などであらかじめ購入しておいて実習前はスマートに過ごしましょう笑
今年度、新人指導を担当することになり
新人から色々な面で刺激をもらっています
初心を思い出させてもらい、臨床・研究ともにまた新たな気持ちで向かい合わせてもらっています!