はじめに
今夜は頭頂葉の見方や障害された場合に出現しうる症状について勉強します。
高次脳機能は奥が深いため全てを書ききれない可能性がありますが、可能な限り簡潔に要所を押さえた記載を心がけていきますのでお付き合いください。
頭頂葉の基本的な役割
頭頂葉の基本的な役割としては・・・
- 外界の情報を受けて対象物と自己を認識し運動へと結びつける。
- 注意機能
- 視空間認知機能
この3つになります。どこの部位でどのような障害がでるかは別の記事で書かせていただきます。
yu-dai-physicalblog.hatenablog.com
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頭頂葉の解剖
頭頂葉は大きく外側面と内側面に分かれます。
外側面・内側面ともに前端は中心溝、後端が頭頂後頭溝(正確には外側は後頭前切痕とを結ぶ線ですが)になります。
- 外側面
最前部は中心溝と中心後回になります。
その後方の領域は頭頂連合野と呼ばれ、中心後溝からほぼ直角に伸びている頭頂間溝を境にして上頭頂小葉と下頭頂小葉に分けられます。
下頭頂小葉に関しては前方が縁上回、後方が角回となります。
頭頂葉の傷害によって生じる障害において緑上回や角回が病巣とされるものが多いため、脳画像上のどこで緑上回と角回を見ることができるかがポイントになってくると思います。
- 内側面
前端は外側面と同じです。
後端は頭頂後頭溝
下端は脳梁膨大部と頭頂後頭溝からの延長線上が交わった点です。
解剖は少し細かくて聞いているだけで頭がこんがらがっちゃいますね。。。
余裕がある人は画像の読み方だけでなくこのような解剖的な位置関係も勉強してみてください。
次は臨床に必要な脳画像から頭頂葉や縁上回、角回と見つけ方を勉強しましょう。
脳画像における頭頂葉の見つけ方
はじめにCT画像で頭頂葉がどこにあるかを説明しますね。
頭頂葉を見ることができるレベルは側脳室体部レベルから上になります。
基底核レベルからは側頭葉となるのでご注意を!
頭頂葉の範囲を同定するためには前頭葉と頭頂葉、頭頂葉と後頭葉の境目を探す必要があります。
下の画像で示すと青線で引いている溝がそうです。

中心溝の探し方は別の記事に書いていますので中心溝の探し方がわからない方はそちらから勉強してみてください。
yu-dai-physicalblog.hatenablog.com
中心溝が分かればその位置を基準に中心後回、中心後溝を探し出します。
中心後溝の後方が頭頂葉になりますので。中心後溝さえ分かれば簡単ですね。
次ですが、先に角回と縁上回の簡単な探し方を勉強しましょう。
側脳室のレベルにおいて、側脳室の後方尖端部を中心から裂くように延長線を引っ張っていくと脳回にぶつかりますよね?

この位置に当たる脳回が 角回 です。
この角回から右側が後頭葉、左側が縁上回になります。

自分が使用した画像では脳溝が分かりにくいためおよその位置と考えてもらえると助かります。。。
さて、
思っていたよりも簡単ではなかったでしょうか?
これで角回、縁上回の見つけ方自体はマスターできましたね。
最後は上頭頂小葉と下頭頂小葉(角回、縁上回)とを分けていきましょう。
上頭頂小葉と下頭頂小葉を隔てているのは頭頂間溝です。
この溝を境にして上頭頂小葉と下頭頂小葉に分かれています。
この頭頂間溝を境にして前方が下頭頂小葉、後方が上頭頂小葉になります。

いかがだったでしょうか?
これで側頭葉と障害の推測に重要な角回や縁上回の同定は可能になったのではないでしょうか。
次は血管支配について説明します。
頭頂葉の血管支配
血管支配を勉強する必要性としては脳梗塞において前大脳動脈、中大脳動脈、はたまた後大脳動脈が閉塞しているかによって障害される領域が違ってくるためです。
特に頭頂葉は前方循環系、後方循環系双方の血管から供給またはその領域の隣に面しているため、障害像や予後の予測をするにあたり重要になっていきます。
非常に簡潔にまとめると。。。
- 頭頂葉外側面→中大脳動脈
- 頭頂葉内側面→前大脳動脈 となります。

つまり、角回や縁上回に該当する頭頂葉外側面は中大脳動脈によって還流されているため中大脳動脈やその枝が閉塞された場合に症状が出現する可能性が高いです。
まとめ
いかがだったでしょうか?参考になりましたら明日からの臨床や勉強に役立てていただけたら幸いです。
部位や左右別の障害を別記事にまとめる予定ですのでよろしければそちらも見にきてください。
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