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はじめに
こんばんは。
今夜は私たちがリハビリ中に一度は出会ったことがあるだろう(特に急性期は)患者が急変した際に評価しなければいけないポイントを勉強しようと思います。
加えて、上記のことにも関わってくる内容で、かつ新人の頃に違いが分かりにくかった起立性低血圧と迷走神経反射の違いについても勉強します。
急変時の対応手順
はじめに急変した際に対応するべき手順を勉強してきましょう。
- 転倒を予防し二次的な外傷を防ぐ
- 助けを呼ぶ(大声で)その場は離れない
- 安全を確認しベッドや床に横にする(嘔吐している場合は側臥位)
- 意識レベル・呼吸の有無を確認
- 呼吸がある場合
- 医師を呼ぶ
- 血圧の確認(血圧計が手元にない場合は脈診で)
- 眼球運動を観察
- 心電図モニターを装着
- 経皮的酸素飽和度の測定
- 発汗や顔面の色
- 呼吸がない場合(または死戦期呼吸)
- 胸骨圧迫を開始
- 応援を呼ぶ
- 医師を呼ぶ
- 心電図モニターを装着
- 経皮的酸素飽和度を測定
- 血圧を測定
急変の原因の推察
患者の安全が確保され、病棟へ引き継ぎ、その後主治医への連絡などが済んだ後は
急変の原因から
今後の介入においての対策を考えなければなりません
それを上の対応手順の中で評価した内容から推測していこうと思います。
心電図(起立性低血圧と迷走神経反射の区別)
急変時、心電図で評価できるものとしては
- 不整脈が 出現しているかどうか
- 心拍数が上がっているのか下がっているのかどうか
不整脈に関してはまた後日勉強しようと思います。
2つ目について検証することでタイトルにある起立性低血圧と迷走神経反射の区別がつきます。
まず分かりやすく示しますが、
心拍数上昇→起立性低血圧
心拍数減少→迷走神経反射
このようになります。
発生状況と機序に関しては
- 起立性低血圧
【 発生状況】
臥位→座位などへの体位変換時(特に長期臥床後)
【機序】
通常、姿勢の変化によって血液が下肢に滞留してしまう。
この際の血圧の低下は大動脈弓の圧受容器反射により血管が収縮し影響を抑えるが、
さらに脱水や長期臥床による交感神経障害、糖尿病による自律神経障害などがあった場合に収縮が不十分となる。
静脈還流量が低下するため1回拍出量は低下し脳血流量が減少する。
そのため1回心拍出量を確保するために代償として心拍数を上昇させる。
- 迷走神経反射
【発生状況】
過度な運動、疼痛、いきみ動作
【機序】
上述の過度な運動などによって交感神経の活動が亢進し頻脈が起こる一方、
下肢に血液が貯留する。
静脈還流量が減少し、逆に副交感神経が優位となり、心拍数が減少する。
以上のことから
不整脈がない場合、介入前や介入中の状態と比べ心拍数がどのようになっているかによって原因が変わってきます。
また、そのさらに背景にある
脱水や糖尿病などの原因まで突き止める必要があります。
眼球運動の観察(脳卒中の再発やてんかん発作を見抜く)
意識障害を呈してしまった患者が血圧の低下を認めなかった場合、
それはもしかしたら脳卒中の再発の可能性もあるかもしれません。
眼球がどちらを向いているかによって判断が変わってくるので患者の病巣がどこかもしっかり頭に入れながら観察してみましょう。
- 病巣側への共同偏位(病巣側へ偏っている場合)
損傷側の大脳における再梗塞や再出血、拡大
- 非病巣側への共同偏位(非病巣側へ偏っている場合)
てんかん発作あるいは脳幹における再梗塞や出血拡大
- 上方への共同偏位(上へ偏っている場合)
血圧低下による失神、てんかん発作
※もし頭に余裕がある場合には瞳孔径なども覚えていると精度が増すと思います。
経皮的酸素飽和度 SpO2(肺塞栓症の有無)
深部静脈血栓症(DVT)がある症例で、SpO2が低下している場合、
患者が胸痛や呼吸困難感を訴えていたり、心電図でST上昇や頻脈を認めたら
肺塞栓症の可能性が高いです。
酸素療法や抗凝固療法、血栓溶解療法が必要なため直ちに医師を呼ばなければいけません。
発汗や顔面の色(低血糖症状)
低血糖状態の時、発汗、手足のしびれ、顔面蒼白を認めます。
血糖が70mg/dl以下の場合はブドウ糖が必要になります。
まとめ
今回はどうだったでしょうか?
今夜は患者が急変した際の確認項目や確認した内容からの原因の推測方法まで勉強してみました。
この仕事を行なっている以上、介入中の急変時の対応はきっちり頭に入れておかないといけないと思うので、しっかり覚えていきたいですね。
今夜もお付き合いありがとうございました。
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