【リハビリ向け!】抗血小板薬と抗凝固薬の違いは??動脈・静脈血栓の形成機序などについても解説!

抗凝固薬と抗血小板薬の違いについて
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はじめに

こんばんわ!Yu-daiです!!

本日は急性期脳梗塞に対する薬物療法について勉強します!

新人
理学療法士

どうして僕らが薬物について勉強しなきゃなんですか?

Yu-dai

医師の方針を
ある程度理解する上で重要な情報であると共に
使用された薬物によって引き起こされる可能性がある

副作用を頭に入れておかなければいけないからだね!

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リハビリが薬物療法を理解するメリットについて

Yu-dai

メリットにはこんなものがあるよ!!

  • 医師の疾患鑑別や治療方針をある程度予測できる
  • 副作用を理解することで正確なリスク管理ができる
  • 患者の状態変化ついて考察する材料になる

ある程度投与されている薬の種類や副作用を頭に入れておけば
その日の情報収集で見なければいけない項目を効率的に探し出したり、患者の状態変化に対してなぜそうなったのかを検討することもできますよ!!

Yu-dai

Dr.と患者さんについて話し合う時にDr.が話す内容を理解しやすくなるし、それによってコミュニケーションもとりやすくなるからオススメだよ!

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【結論】抗血小板薬と抗凝固薬の違い

時間のない方向けに今回の記事を簡単にまとめています!!
血栓形成の機序など薬品の違いをより理解しやすいよう
下の方に詳細を書いているので

もっとよく知りたい方はスクロールしてみてください!

Yu-dai

じゃあまとめたものを伝えるね!!

抗血小板療法(動脈硬化巣での血栓形成防止を目的とした治療)
→血小板に作用し動脈血栓の生成を阻害

抗血小板薬として用いられる薬品はこちら!
  • 急性期治療
    ✔︎アスピリン(グレードA ※発症48時間以内の脳梗塞に対して)

    ✔︎クロピドクレル・シロスタゾール・チクロビジンなどの2剤併用療法

    (グレードB ※心原性脳梗塞は除く)
  • 再発予防
    ✔︎シロスタゾール・クロピドクレル・アスピリン(グレードA)

    ✔︎チクロピジン(グレードB)


    ✔︎ワーファリン・NOAC禁忌症例のみ抗血小板薬(グレードB)
    (アスピリン・クロピドクレルの併用はしない:グレードD)

抗凝固療法(心臓や動脈・静脈、体外循環回路内の凝固を阻止する治療)
→いずれかの過程における”血液凝固因子”生成を抑制し
静脈血栓生成を抑制

抗凝固療法で用いられる薬品はこちら!
  • 急性期治療
    ✔︎アルガトロバン グレードB
    (※発症48時間以内かつ病変最大径1.5cmm以上かつ非心原性)

    ✔︎ヘパリン グレードC1(※発症48時間以内)
  • 再発予防
    ✔︎ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバングレードB
    エドキサバンワーファリン
    (※非弁膜症性心房細動のある脳梗塞・TIA症例に対して)

    ✔︎頭蓋内出血患者においてはワーファリンよりもNOACで重篤な出血合併が少なくこれらの薬剤を考慮する
     グレードB

抗血小板療法・抗凝固療法とは?

前置きが長くなりましたが、本題に移りましょう!

まずは薬の前に
抗血小板療法と抗凝固療法とはどんなものかについてですが…
皆さんはこれらの治療の違いをどう患者さんに伝えますか?

新人
理学療法士

いや〜血液をサラサラにする薬としか…

僕らやお医者さんが患者さんに説明するときは…

血液をサラサラにする薬

大体どちらもこのように伝えられますが
実際はどう違いがあるんでしょうか?
定義も含めてまとめていきます!

抗血小板療法とは?

動脈硬化巣での血栓形成防止を目的とした治療

抗凝固療法とは?

心臓や動脈・静脈、体外循環回路内の
凝固を阻止する治療

新人
理学療法士

違いがあんまり理解できないんですが…

Yu-dai

オッケー!少し整理しよう!!

血栓の要因と種類

まずは血栓症の3大要因について整理します!!

これを

”Virchow の 3徴”

このように呼びますが…
血栓症の要因にはこの3つが存在します!

Virchow の 3徴原因
①血流の変化血液のうっ滞(心房細動・手術etc)
血液粘度の増加
(脱水・利尿剤etc)
② 血管壁の異常動脈硬化(高血圧・肥満・ストレスetc)
炎症(血管炎)
酸化ストレス(DMなど)
③血液性状の変化凝固制御因子の低下
凝固因子の増加
線溶因子の低下
抗線溶因子の増加

血小板の増加・質的異常

Yu-dai

これらの要因と先ほどの治療法について考えると…

①血流変化→抗凝固療法
②血管壁異常→抗血小板療法

こんな関係が浮かんでくるね!
③はこのあとで出てくるけどどちらにも関係してくるよ!!

血栓はその形成部位により大きくこの2つに分けられ,異なる特徴を示す

動脈血栓
静脈血栓

丸山徹,深田光敬:血液レオロジーからみた心原性脳塞栓症の 発症機序と抗凝固療法の進歩 日本バイオレオロジー学会誌(電子版)第 31 巻 第 1 号 2017

動脈血栓・静脈血栓の形成機序について

つまり、

動脈血栓(血小板血栓・白色血栓)の形成機序

・ずり応力上昇→血小板活性化
(狭窄部・分枝部・攣縮部に起こりやすい)

・動脈硬化巣におけるプラーク破綻
✔︎プラーク内のI 型コラーゲン・脂質コア露呈
血小板を活性化(動脈血栓生成はこれがメイン)

✔︎”平滑筋細胞”や”マクロファージ”に発現した”組織因子”露呈
→”外因系凝固反応”が促進され結果的にフィブリンが生成

※これらが同時並行で作用し比較的大きく強固な動脈血栓が形成される

静脈血栓(フィブリン血栓・赤色血栓)の形成機序

・血流のうっ滞
✔︎心房細動などの不整脈
✔︎不動や静脈瘤etc

・血液凝固能の異常
✔︎凝固制御因子(アンチトロンビンetc)の低下:先天性疾患
✔︎凝固因子(フィブリノゲン)の増加:炎症・妊娠・悪性腫瘍etc

動脈血栓・静脈血栓はそれぞれこのような機序で生成されます!!

Yu-dai

こうやって文字に起こしてみると
同じ血栓と言ってもこれだけの違いあります!!

抗血小板療法と抗凝固療法の違いはこれだ!

yu-dai

今までの話をまとめていくと
2つの治療薬の違いはこちらになります!

抗血小板療法
血小板に作用し動脈血栓の生成を阻害

抗凝固療法
→いずれかの過程における血液凝固因子生成を抑制し静脈血栓生成を抑制
(心房内血栓に対してもこれ)

一般的に動脈血栓の形成を抑制するには抗血小板薬 が使用され,静脈血栓の場合には血液凝固過程のいず れかのステップを抑制する抗凝固薬が使用される.

丸山徹,深田光敬:血液レオロジーからみた心原性脳塞栓症の発症機序と抗凝固療法の進歩 日本バイオレオロジー学会誌第 31 巻 第 1 号 2017


新人
理学療法士

名前に入っている”血小板””凝固”そのまんまですが
血栓生成の機序などを整理するとどこに作用させる薬なのかがよく分かります!!

薬品の詳細などはこちらの記事でまとめています!!

APTTとPTーINRの違い

抗血小板療法・抗凝固療法で用いられる薬品まとめ!

最後に薬ごとに”脳卒中ガイドライン”から
急性期脳梗塞・TIAにおける治療や再発予防のために用いられる薬品を紹介します!
主な効果や副作用について調べました!!

各グレードについては脳卒中ガイドラインのリンクを貼っているので確認してみてください!

抗血小板薬として用いられる薬品はこちら!
  • 急性期治療
    ✔︎アスピリン(グレードA ※発症48時間以内の脳梗塞に対して)

    ✔︎クロピドクレル・シロスタゾール・チクロビジンなどの2剤併用療法

    (グレードB ※心原性脳梗塞は除く)
  • 再発予防
    ✔︎シロスタゾール・クロピドクレル・アスピリン(グレードA)

    ✔︎チクロピジン(グレードB)


    ✔︎ワーファリン・NOAC禁忌症例のみ抗血小板薬(グレードB)
    (アスピリン・クロピドクレルの併用はしない:グレードD)

Yu-dai

急性期脳卒中の臨床でよくみるのは
”シロスタゾール”と”クロピドクレル”かな!!

抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)でもよく併用されているのをカルテでみます!

次は抗凝固療法です!

抗凝固療法で用いられる薬品はこちら!
  • 急性期治療
    ✔︎アルガトロバン グレードB
    (※発症48時間以内かつ病変最大径1.5cmm以上かつ非心原性)

    ✔︎ヘパリン グレードC1(※発症48時間以内)
  • 再発予防
    ✔︎ダビガトラン、リバーロキサバン、アピキサバングレードB
    エドキサバンワーファリン
    (※非弁膜症性心房細動のある脳梗塞・TIA症例に対して)

    ✔︎頭蓋内出血患者においてはワーファリンよりもNOACで重篤な出血合併が少なくこれらの薬剤を考慮する
     グレードB

新人理学療法士

んー、NOACってなんですか?

NOACとは?

新規経口抗凝固薬(new/novel oral anticoagulant)の略で定義上は”ダビガトラン”以降に発売された経口抗凝固薬のこと。しかし現在は”新規”の時期は過ぎたとして、非ビタミンK拮抗経口抗凝固薬(non-vitamin K antagonist oral anticoagulant)という呼び方も増えている。また、凝固因子特異的にその活性を直接阻害するという作用機序から、ダビガトランと共に「直接経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant)」で”DOAC”と呼ばれることも。
”DOAC”と定義した場合には、トロンビ ン阻害薬に分類される”ダビガトラン”とXa 阻害薬に分類されるリバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバンの 2 種類に分類される。

Yu-dai

つまり、NOACという表現の場合には”Xa阻害薬”であるリバーロキサバン,アピキサバン,エドキサバンが該当するね!!

薬品の詳細については今回はやりません!
また別記事にまとめていきます!!

APTTとPTーINRの違い

これらの薬品には大まかに以下のような副作用があります!!

  • 脳出血のリスク
  • 肝機能(AST、ALTなど)の低下
  • 頻脈
    ※もちろん全てではないので実際使用されている薬品の副作用は確認しておきましょう!

他にも副作用はありますが
臨床でよく目にするものがこちら!!


病態と合わない生化学検査の結果や症状などがあれば
薬品の副作用も含めていろいろな可能性を考えましょう! 

新人
理学療法士

確かに患者さんの状態を生化学検査などでチェックして異常を見つけても
どちらかといえば疾患に基づいて考えてばかりで
薬品の作用・副作用まで目を向けていなかったです。

まとめ

抗凝固薬と抗血小板薬の違い
yu-dai

今夜は抗血小板薬と抗凝固薬の違いなどについて勉強したけどどうだったかな?

新人
理学療法士

今まで患者さんにはサラサラの薬としか説明できませんでしたが
今回勉強してより具体的に話ことができそうです!!

それに来年後輩指導をする時にもしっかり教えられそうです!

急性期以外で勤める理学療法士をはじめとするリハビリ職種にとっては
あまり馴染みのない内容だったかもしれませんが
抗凝固薬や抗血小板薬に関わらず使用されている薬品に対して
ある程度の知識を持っていることはリスク管理にもつながってきます!!

ぜひ他の検査項目と一緒に
薬品の情報についてもまとめて考えられるよう今から訓練していきましょう!

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参考図書はこちら!!

リハ目線で
治療薬の知識や治療薬ごとのリスク管理についてまとめられている書籍です!!
今回のワーファリンなどの

よく処方される薬品などについてしっかり解説されているので
この書籍も一緒によく読むことでさらに理解しやすくなると思います

かなり読みやすい内容なのでおすすめですよ!
Amazonの口コミでも高評価の一冊です!

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