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はじめに


んー、運動麻痺がでていないかチェックするため…とか?
色々と理由があると思いますが、
僕は以下の事を知りたいがために脳画像をみます。
- 重症度やリスクを把握
- 脳画像をもとに神経予後を予測し適切な目標設定を行う
上記のことを患者と対面する前に画像で情報収集しておくことで
医療事故による患者や自身の身を守ることにもつながります!!
脳画像が見れるようになるとこんなこともわかります!!

脳画像を臨床の時間で正確に読影して
障害像や予後まで理解するのってかなり難しそう…
本当にできるのかな?

僕も新人の頃は教科書を見返しながら
何度も実際の画像と見比べて格闘してきたよ!
一緒に脳画像について再度見直してみよう!!
それでは今一度頭部MRIについて再度確認していこうと思います!!
// /頭部MRI画像とは?MRI画像の種類や特徴について

まずはじめに頭部MRI(magnetic resonance imaging)から学んでいきたいと思います!!
MRIは主に脳梗塞の患者などに用いられることが多いですが
CT画像と違って何種類かの画像に分けられています!
何種類かに分かれてるのにも理由が!!
なのでその点も踏まえて紹介していこうと思います。
・T2*強調画像(T2スター強調画像)
以上の項目をMRIで確認することが可能です!!
※各項目ごとにまとめた記事を書いたページへ飛べるようリンクしています!
気になった項目があれば見にいっていてください!!

僕なんかは学生の頃、
試験勉強で画像の黒と白などの色調の違いだけで見分けましたが笑
本来、それぞれに明確な特徴や見るべき所見などがあり
目的によって確認する項目は変化するんだよ!!
この回ではまず、T1強調画像について勉強していきましょう!
// /MRI:T1強調画像の見方・読み方


T1強調画像の特徴を話していくね!!
T1強調画像の画像的な見え方を整理するとこんな感じになっています!!

脳脊髄液→黒色
(低信号)
脳実質→灰色
(等信号)
梗塞巣→黒色
出血→急性期:白色
慢性期:黒色

この画像は細部までくっきり見えるからすごく見やすいですね!!
同じ灰色ではありますが、脳実質の中でも少し見え方は違っています
灰白質→濃い灰色
白質→灰色
MRI:T1強調画像の特徴(長所や短所について)

次にT1強調画像の特徴についてまとめていきます

長所と短所で記載していこうと思います!!
- 脳脊髄液と大脳の濃淡(コントラスト)が大きい
→脳溝の同定を行いやすい - 脳の萎縮の程度が分かりやすい

確かに脳溝ははっきりしていてとても見やすいです!!
全部これで見れたら良いのにな〜
次はT1強調画像の短所についてです!
病変を特定しにくく
正確な病変の範囲の特定にはあまり向いていない

病変部の特定には別の画像を用いた方が良いね!!
MRI:T1強調画像をリハビリにどう生かしていくか?

ではここからは臨床への応用についてです!!

先ほどのT1強調画像の特徴を生かして
どのような用途があるのかまとめていきます!!
中心前回や中心後回、島皮質など
読影に重要な脳の部位を判別しやすい!!
中心前回は”1次運動野”、中心後回は”体性感覚野”
こういった具合で
僕たち理学療法士が読影する目的である
”機能障害”を予測する上で非常に重要な部位を特定するための補助に使えます!!
中心前回などの見つけ方は上の関連記事でもまとめていますが…
T1画像と他のMRI画像とを比較しながら確認することで
障害部位を正確に同定しやすくなります!!

確かにこれだけ脳溝がはっきりしていれば
各部位の見つけやすさがグーンと上がりそうです!!
脳の萎縮の有無で
全般的な認知機能低下の可能性や認知症の既往がないかを予測できる
脳が萎縮しているということは
病前から認知機能が低下している可能性を示唆しています!
- 大脳皮質(前頭葉や側頭葉)
- 海馬を含む側頭葉内側
これらの部位が萎縮しているかを確認することで
元々の認知機能を把握することが可能です!!
これは脳卒中以外の疾患にも言えます!

なんで病前からの認知機能を把握しておく必要性があるんですか?

僕らが転帰先の検討をする時や院内での安静度を看護師さんと相談する際には機能的なことだけを検討するわけじゃないよね。
認知機能も踏まえた上で検討していく必要があるから元々の認知機能についても把握しておく必要があるんだよ!
私たちは患者さんの機能的な部分を中心に評価した内容で
予後予測を立てることが多いと思いますが…
病前から認知機能の著しい低下が疑われているような場合には
機能的な部分で得た予後予測を下方修正する必要が生じてくるかもしれません!

認知機能の低下は時に…
✔︎リハビリ介入阻害(病識低下などによる拒否)
✔︎練習内容の理解不足による効果減少
✔︎安静度の遵守不可
このような問題を引き起こす場合があるから
事前に把握しておく必要性は高いと言えるね!
まとめ

今まで用途を考えずにMRIを見ていましたが…
今回T1強調画像について学んだことで
用途に分けて効率よく読影をする重要性がわかった気がします!!

その他のMRIの特徴もまとめようと思うから一緒に覚えていこう!!
いかがだったでしょうか
明日職場に着いたらすぐに患者さんのMRI結果を開いてみてください!!
僕もカルテを開いて今日自分で書き込んだことを職場で確認してみようと思います!
次回はT2、T2✳︎(スター)について書くのでもし興味があればそちらも!!
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参考書籍はこちら!!
タイトル通り本当に役立つ本です!!
説明などもわかりやすいですし、他の書籍ではあまりカバーされていない
脳幹についての項目も多いのでこれ一冊で十分脳画像について学べますよ!!
(かなり分かりやすく書いていますが、より理解を深めるには自分で深掘りする必要はあります)
この本では実際の障害(運動麻痺・失語etc.)と脳画像が結び付けられているので
脳画像の見方だけではなく、その障害像についても知ることが可能です!!
知識は1つのことを色々なものに結びつけることでより覚えやすくなりますから
脳画像だけではなく、脳機能についても勉強したい方にはこちらをおすすめしたい!!
なぜ医師でない私たちが急性期の脳の画像を勉強し、
臨床で読影していかないといけないのか分かる?